レビュー「検索エンジンはなぜ見つけるのか」
2011-05-11
今の検索エンジンの事情を知りたくて購入。 思ったよりディープな話が多かった印象です。
検索エンジンの歴史をたとえ話と計算理論で解説
検索エンジンっていうと、家電製品と同じで毎日利用しているにも関わらず、その裏側を知らない人は多いと思います。 この本はその裏側もある程度知りたいと思っている人にとって、良い参考書になるのではないでしょうか。
まず、読み物として面白く作ってあるということ。 二分探索やN-Gramといった理系向きな理論を喩え話で表現してくれてたりするので「あ~、そういうこと?」みたいな感じで分かったつもりになれます。笑
その一方で完全に理解しようとすると頭が混乱するような内容も含まれているので、以下に述べる3章と4章ではある程度、脳みそを柔軟にして疲れていない時に読むことをオススメします。
本番は3章と4章
本書は大きく4章に分かれていますが、1章と2章は特にWeb製作者に目新しい情報はないでしょう。 一方で、3章と4章は一度は読んでおくべき内容ではないかと思います。
3章:検索エンジンの情報整理の仕方
3章は検索エンジンが膨大な情報データベースをどうやって整理しているのかを図書館に例えて具体的に解説してくれます。 自分でここまでのデータベースを作ろうなどとは到底考えませんが、いかに速度を重視しているのかが垣間見える章と言えます。
具体的にはインデックス、いわゆる索引を作る方法をどんどん効率的にしていき、高速化を図っていく流れが解説してあります。 ゆるーいイラスト挿絵もあるので、頑張って読んでいきましょう。
4章:検索エンジンがユーザーに価値ある情報を提供する方法
4章は、集めた情報の中でどのページを提供すれば良いのかを、暗闇の空間と光に例えて解説してくれます。
また、リンクによる評価をどのような価値に変え、数値としてページに与えていくのか。 いわゆる「リンク・ジュース」の箇所も喩え話が多くて参考になると思います。
やや抽象的な話ではありますが、自分がサイトを制作する場合や、コンテンツを書く場合にどうしたら良いか、大きなヒントを与えてくれるかもしれません。
ちなみに私は大きなヒントをもらいましたよ(^-^)。
今の検索エンジンのページ評価方法が理解できるわけではありませんが、もっと本質的な、時代が移り変わっても変化しない検索理論の部分を学習することができる本です。
2011-05-11