Webシステムがメール配信する際に陥りやすい3つの罠
2011-10-03
Webシステムを作成する際に、1箇所は自動メール配信する機能をつけているのではないかと思います。 その際にここを気をつけて実装しないと思わぬトラブルに陥ってしまうポイントとその回避方法をご紹介したいと思います。
ユーザーが寝ている時間に出してしまう
これ、システム開発初心者にありがちなトラブルです。 午前0時とか、午前4時に平気で体験版期限切れのメールを出しちゃう。 運営者側としては「日付が変わった瞬間」であり「ユーザーがあまりアクセスしてこないサーバーメンテナンスに良い時間であったります。
でも、それをいいことに平気でユーザーに大量にメールを送ろうとするシステムを作っちゃったりしますと、ユーザーから「就寝中に携帯メールをよこす無礼なサービス」ってことになって大顰蹙を買っちゃうわけなんです。 注意しましょうね。
一度に大量のメールを送ってしまう
いくら該当ユーザーが多いからといって、一度に大量のメールを送ってしまうと、受信拒否されてしまうプロバイダーも少なくありません。
有名所ですと、ドコモが500通/1日、auが1,000通/1日、ソフトバンクが500通/1日などとなっています。
各社に掲載されている送信数制限は不定期に改定される場合があります。
ですから、大量のユーザーに送信しなければいけない場合はcronを使ったバッチプログラムを利用するなどして、休憩を挟んで送信するようにしましょうね。
スパムメール扱いになっていることに気づかない
これは最も対策が難しいポイントの1つです。 最悪なのは、運営側ではそのことを知らないまま「ユーザーにメールが届いている」と思ってしまう点。
有名ではないサービスを利用するユーザーはメールアカウントにYahoo!メールやGmailなどのフリーメールサービスを使って登録することが多いです。 そして、これらのサービスには厳しいスパムチェック機能が備わっています。 代表的なものは次のようなメール。
- From欄のドメインのIPアドレスと、送信元のサーバーIPアドレスが異なるメール
- メールサーバーにSPFレコードが設定されていない状態で送られたメール
スパムメールの判断基準はサービス提供各社によって微妙に異なります。
特にSPFレコードをメールサーバーに追加しないで運用する人が最近多いと感じます。 通常、ドメインを保持(Aレコード、MXレコード)するサーバからメールを送信したい場合、DNSレコードに次のTXTレコードを追加します。
colo-ri.jp. IN TXT "v=spf1 a mx -all"
“colo-ri.jp” の箇所は空白でもOKです。
設定ができたらWindowsのコマンドプロンプトで次のように入力し、SPFレコードが追加されているかどうか確認しましょう。
> nslookup -q=txt (ドメイン名)
そして、自分でも主要なフリーメールアカウントを使って実際にメールを送ってみること。 新規アカウントだと迷惑メールフィルターもカスタマイズされていないので確認するにはうってつけです。
おわりに
メールによる通知は非常に強力なマーケティングツールですから、ぜひ有効に利用したいものです。 お役に立ちましたでしょうか?
2011-10-03