ルンバのメンテナンスに見る、今後の日本製品のあり方
2012-08-26
お掃除ロボット「ルンバ」を購入してかれこれ1年。 ほんとによくやってくれてます。
これだけ高機能でありながら、なかなか壊れない。
さすが軍事企業iRobot社の製品だと感心しきり。
このルンバくん、ある程度掃除をしてもらったあとは当然ゴミが溜まるので、通常の掃除機と同様にゴミを捨てる必要があるんですが、これがかなり原始的なのです。
原始的=直感的。
ゴミ回収用のパックなんかなくて、ただゴミ保存用のエリアに入ったゴミを捨てて、ブラシに残った髪の毛とかを取ってゴミ箱に入れる。 何とも直感的です。
そう。 「直感的」に作業ができるというのが大きなポイント。
ルンバを掃除する時は、普通の掃除機と違って、パーツ自体を掃除するための分解作業を行います。 分解作業っていうと「うへぇ~…」とめんどくさいイメージがありますが、ルンバのそれはおもちゃを組み立てるような簡単さ。 説明書を読む必要なんかありません。
これが実に楽しい。
パーツを外してどんどん綺麗にしていく様が子供時代のおもちゃ遊びを彷彿とさせます。
パーツもカラフルな色分けされているので、どのパーツをどこにはめるのかも迷うことがありません。 ハイテク製品にも関わらず、操作が原始的であり、直感的なのです。
ハード部分とソフト部分の役割を集約化させる
家電製品にかぎらず、ハイテク製品というものはハードウェア部分にも複雑さを組み込むことができます。 そのメリットとしては動作が高速になったりするわけですが、一方でトラブルが発覚すると部品を交換しないと直らなかったり、部品自体が壊れやすくなったりします。
しかし、ちょっとした操作ミスや故障がそのまま死につながるような軍事用ロボットの世界ではそのような設計は許されません。
そのため、iRobot社の製品は、高機能の部分をソフトウェアにまかせ、利用者が普段操作するようなハードウェア部分は極力シンプルに、直感的に操作できるように作られています。
こうすることで、なにか製品にトラブルが発生したときにも、ハードとソフトの切り分けが簡単になり、ハードの問題であれば誰でも交換でき、ソフトウェアの問題であればソフトウェアのみの修正で問題を解決することができるんですね。
日本企業もアグレッシブにいけばルンバは作れるという指摘がありますが、製品構造の部分においてもぜひルンバのコンセプトを意識して作って欲しいものです。
2012-08-26