Kindleの普及で東京の大型書店も無くなるかもしれない。
2012-10-24
ついにAmazonのKindle(PaperWhite, Fire HD)が日本で発売されます。
それも多くの日本語電子書籍のラインナップを揃えた状態で。
デジタルの便利さに押され始めるアナログ本
他社がこれまで発売してきた電子書籍リーダーとKindleが決定的に異なるのは、コンテンツの販売システムに既存の膨大なAmazonユーザーをすでに取り込んでいる点。 楽曲販売でAppleがiPodを使って独占したようなことが書籍においても起こるということです。
「いくらデジタルが発展しても、アナログの本は無くならないよ」とはよく聞く言葉ではありますが、ビジネスに関しては大勢の人が買ってくれる(と期待する)から、出版社はアナログの本を作る意味があるという前提があります。
しかし、Kindleによって、その前提が崩れようとしているのです。
Kindleが持つ便利さ
本のデジタル化(自炊も含め)は徐々に拡大してきています。
なんだかんだ言っても、いつでも読めるのが便利であることは確かなわけで、日本の狭い居住空間では「積ん読」状態の本や、何時また読み返すか分からない本を置くにも限界があるでしょう。
普段よくAmazonで書籍を購入しているユーザーもそんな悩みに加えて、次のようなKindleの特徴に「ちょっと試してみようか」となるはずです。
- すぐ読める(時間の短縮)
- 今までと同じ買い方(新たなユーザー登録が不要、安心感)
- 膨大な書籍ラインナップ(読みたい本が大体ある)
- 安価なKindle(痛くない出費)
Kindleを手に入れたユーザーは後悔しないように頑張ろうとする
これまでは大型書店に行くメリットとして「すぐ読める+膨大な書籍ラインナップ」という理由がありましたが、KindleによってAmazonでも同じメリットが実現されてしまいました。
違いが少なくなると、ハードルもふとしたきっかけで簡単に乗り越えることができます。
少額とはいえ、お金をかけたわけですからしばらくは少々不便なところがあっても努力して克服しようとします。 学習曲線が徐々にゆるやかになり…
そして「お、意外といいじゃん」となる。 立派なKindleユーザーの出来上がりです。
大型書店がKindleに潰されないためにできることは?
Kindleの攻勢から大型書店を守るために、素人考えでいくつか方法を考えてみましたが、どれだけ実現できるものでしょうか?
あんまり後ろ向きには考えたくないですけど。
- アナログの本には電子書籍にない特別なオマケをつける。(著者にお願いするか?)
- 電子書籍化する本と、しない本を分けて取り扱う(出版社へのお願いか?)
- 内容の一部をアナログの本だけにする(「最終章は書店で!」みたいな。これも出版社へのお願いだな。)
- 電子書籍の価格を高くする(これも(ry)
などなど…どれも書店のみでなんとかなるものではないし、応急処置的な対策にならざるを得ません。
書店が独自の販売インフラでユーザーをAmazonから奪うなんて夢のまた夢。
それだけとんでもない状態になってきているということです。
とりあえず今後の日本の書店業界は大変なことになりそうですね。
2012-10-24