レビュー:モバイルユーザビリティ・デザイン 新100の法則
2010-06-11
本のタイトルで「おっ!」と思った人であれば買っておいて損のない内容ですね。
いままでパソコン用のWebサイトばかり作ってきたけど、携帯ページを作ったことがない、触ったこともない、というWebデザイナーはけっこう多いんじゃないかと思います。
デザインに拘る人は携帯ページを見ただけで「ダサッ…」って思う人いますもんね、私の周りにもいます。笑
だから、作る立場になった途端「やばい…」ってなっちゃう。 この本はまさにそういう人向けの本です。
もくじ
章立ては大きく8つに分かれてます。 SEO対策など、昔のように公式サイトにならないと意味がなかった時代に比べて大きく変化していることが分かる構成になってますね。
ケータイサイトではいちおうiPhoneサイトも若干ですが載ってます。 でもiPhone向け法則は微々たるものなので、それ目的では購入しないほうが良いです。
- 第1章 ケータイサイトを作る前にやるべき法則
- 第2章 基本構造とレイアウトの法則
- 第3章 視覚的にアピールするデザインの法則
- 第4章 ユーザーをサイトに引き込むための法則
- 第5章 ユーザーに快適さを感じさせるための法則
- 第6章 モバイルSEO対策の基本法則
- 第7章 Flash / iPhone 対応サイトの法則
- 第8章 ユーザーを放さない会員制サイトの法則
ここいいな!と思ったポイント
基本はドコモ向けに設計する
ケータイの各キャリアとサイト記述言語の対応表が便利。
XHTMLとCHTMLを併用して表示の不具合に対応する
iモード対応XHTML用のドキュメントタイプ(DOCTYPE宣言)の記述例が便利。
User-Agentで端末を判別して各ページに振り分ける
ここにはUser-Agentの具体例と、User-Agentが掲載されている各キャリアのコンテンツとIPアドレス掲載URLが載っていました。
title要素をおろそかにしない
文字数や色など、まさにケータイ独自ルールのポイントが書いてあります。
文字の大きさを使い分ける
各キャリアでの<font>タグ、CSSのフォントサイズ対応の目安が書いてありますよ。 携帯では文字サイズを変えるユーザーが多いことについても、どうしておくと良いかアドバイスが書いてあります。
ブラウザバックの理由は明示する
「戻る」ボタンを各有名サイトではどう書いているかが載っています。
「よくある質問」ページにあらかじめ答えを用意する
ケータイサイトによく寄せられる質問に「対応する端末」「機種変更の手続き」「メールアドレス変更の手続き」など、PCと違う独自の項目を設けるように書いてあります。 いやー勉強になりましたな…
アクセスキーを定義して操作効率を上げる
ケータイのテンキーを利用してナビゲーションするコツが書いてあります。 ここなんかもPCにはない独特の文化ですよね。
会員登録させずにユーザーを認証する
各キャリアで個体識別情報を取得することでユーザーを特定する方法が載ってます。 サンプルはPHPスクリプトなので、分かりやすいと思います。
入力補助でユーザーの手間とミスを減らす
キャリア別の特殊な属性を用いることでフォームへのフォーカス時に全角かなや数字入力モードにするための方法が書いてあります。 これなんかまさにユーザビリティの劇的な改善方法ですね。
クローラーからのアクセスを遮断しない
後半はSEO対策ですね。 キャリア判別でページを振り分けているサイトはクローラーまでも遮断しているという恐ろしい事実を教えてくれてます。 当然どうすれば良いかも書いてありますよ。
巻末付録の絵文字対応表
各キャリアの絵文字内容とその書き方が載ってます。 各キャリアでしか使えないものも沢山あるんですよね~。 この表も実制作では役に立つんじゃないかと思います。
まとめ
100の法則と書いてるだけあって、そのノウハウは膨大なので書店で流し読み…ではなかなか頭に入ってこないと思うので、ちょくちょく作ることになりそうだな~という方は本棚に一冊あると安心できるかと思います。
2010-06-11