レビュー:エンジニアとしての生き方
2011-03-30
iPhoneアプリの「BlogPress」というやつで初めての投稿。 文章は書けるけど、ちゃんとタグでマークアップするには向かないですね(^-^;)
さて、本書「エンジニアとしての生き方 IT技術者たちよ、世界へ出よう!」は、職場でプログラマーやクリエイターとして不安な日々を送っている人たちへガツーン!と強力な顔面パンチを浴びせる一冊です。
「自分ってエンジニア向き?」
本書は「自分って、エンジニア向き?」という問いに自信を持って応えられない人に対して相性診断をやってくれます。
どういった人たちがエンジニア(主にプログラマー)に向いているのか、具体的に事例をあげてあったり、実際に問題を解かせてみることで、あなたに気づきを与えようとします。
特に本のあちこちで出題される問題文が面白く感じられるかどうかは大きい判断ポイントになるでしょう。 そこでワクワクできるかどうか。 実際に解き甲斐のある沢山の問題が出てくるので紙とペンも横に置いておくと良いと思います。
技術主体のモチベーションと目的主体のモチベーション
あと個人的に気になった箇所としては、プログラムを書いている時のモチベーションについて。
本書ではどんな状況にあってもプログラミングでワクワクできるかどうかを重要視していますが、もう一つ私的に感じるのが「何を作っているのか」という「目的主体のモチベーション」が非常に重要ではないか、自分が情熱を注げるプロジェクトを立ち上げたり、引き寄せることができる環境にあるか?という事ではないかと思っています。
日本のサラリーマン・プログラマーは、大手企業からの下請けや孫請けでそういった環境を得られない事が多く、ビジネスモデルが破綻した、ユーザー不在のプログラムを書かされることが殆どです。 これでは、いくら「プログラミングが好き」という「技術主体のモチベーション」があっても長くは続かない。
プログラマーを天職に出来る人って、プログラミングの能力を道具として扱い、その先に社会的需要を満たすビジネスアイデアがどんどん浮かんでくる人だと思うんですよね。
そして、それをワクワクしながら形にしようと行動する人。
私の同期には「プログラミングしていれば幸せ」なんて社員がいましたが、いまの日本のIT業界でそのモチベーションを持ち続けるのは難しい。 それよりも、私は「何を作るか(作っているか)」が最も重要ではないかと思います。
中には「そんなこと言ったって、上司が~」とか「クライアントが~」などの愚痴が出てきますが、そんなところからは去れば良い。 本書でもそう書いてあります。
あなたの社会的価値は高くなっていますか?
あと、大手企業の名のある製品やサービスのサイトの下請け、孫請けで「自分はこんな有名企業のサイト製作に『関わったんだ』」と満足している人がたまにいます。 昔の自分であれば「いいな~」と思っていたかもしれませんが、今では正直ちっとも羨ましくありません。
そこのサイトの何処にあなたの名前があるのかと。 本当のあなたの評価はそこでは何も表現されていないのでは? 長くそこで働けば働くほどその不安感を覚えている人も多いはず。 そこにあなたの名前がなければ、社会的な評価に繋がらないのです。
特に、ここ日本においてその傾向が根強く、また容易にしくみを変えられない事実として本書にも詳しく解説されています。 この悪循環を断ち切って、本当のあなたの価値(あるいは収入)を高めて行くにはどうするか。
自分の本当に好きなことに仕事のベクトルを合わせて、環境に縛られないこと。 具体的にどうやるかは本書が導いてくれるでしょう。
あと、本書は大学受験を控えた高校生や就職活動を控えた大学生にも今後の生き方を選択する上で重要なヒントにもなるでしょう。
2011-03-30