書評:「自分の中に毒を持て」人生の一瞬一瞬の中に芸術を。

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本書では彼(岡本太郎)の作品を見た人が「いやな感じ!」と言ったというエピソードがある。

岡本太郎はそれを聞いて喜んだという。

真剣に作品と向き合ってくれた証だと。

ああ、納得がいった…自分がいつも美術展で感じていたモヤモヤの正体が。

それは「誰の作品か」という先入観を持って作品を見ようとしていたこと。
率直に言ってその見方は間違っていた。

作品そのものに対峙していない。
「作者のステータス」というフィルターを通して見てしまっている。

そもそも横にある解説のパネルが付くことをこの作品は前提としているのか?

そうじゃない。 作品は「オレをもっと深くまで見ろ!」「オレと対峙しろ!」と思っている。

本物の芸術と真剣に対峙すると、閲覧者の記憶に強烈に残る。
「なんとなく良い」のイメージを持たせてくれない。 そのような薄い生き方を許さない。

人生においても…

このような「作品 x 鑑賞者」の関係を、岡本太郎は「人 x 人」の関係においても、人生の全てで貫いてきた。 相手が大物であろうが素人であろうが関係ない。

時には失敗や挫折もあるが、後悔はない。
自分の人生を生きた、さぞかし満ち足りた人生だったろう。

他人の顔色ばかり窺って良い人に見られようとするあまり、他人の人生に左右されてしまう現代の日本人に足りないものは何か。

彼のような妥協のない、後悔のない人生を送るにはどう考え、行動すれば良いのか。

本書にはその極意が余すところなく書かれている。

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2012-05-31