話してばかりの営業さんは失敗ばかり。
2011-11-27
今日、新宿の高島屋デパ地下に贈り物のお菓子を買いに行った。
色とりどりのお店たちの中に、美味しそうなチョコのお店があった。
売り手はイケメン20代の清楚な男性。
おばちゃんたちが「ほうぅ~♪」と思いそうな雰囲気。
立ち寄って眺めていると、声をかけてきた。 「試食がある」と言う。
期待して喜んだが、すぐには出してくれない。
その代わり、延々と製品についてのアピールをし始めた。
これは外国からの直輸入で~、ここだけの販売で~、特別にこれをお出ししましょう。
そんな感じで2分ほど話された。
そろそろ「くれるかな?」と思ったが、まだ出ない。
食べると○○の香りがしてきますよ~。
なんだか催眠術にかけようとしているみたい。
ところで、ここまで私はほとんど何も話していない。
「早く欲しいんですけど…」「時間がないので他のお店もまわりたいんですけど…」「そんなにハードル上げちゃって大丈夫なんですか?」言いたくても、相手はその隙を作ってくれない。
もう一刻も早くその場を立ち去りたくなった。
商品の良し悪しはもう、どうでも良くなった。
4分後くらいに、ほんのちょびっとのチョコの欠片を出してくれた。
少量すぎるのとハードルを上げられたせいで、それほど美味しく感じられなかった。
それとも、待たされたストレスが味をかき消してしまったのかもしれない。
売り手の男性がさらに深い話をしようとしたので「時間がないのですみません…」と強引に逃げてしまった。
彼は突然の事に「は?」という驚いたような、少々怒ったような顔をした。
本当はこちらの話も聞いてもらいたかった。
どんな人に渡すのかとか、今日は買い物で歩きまわって疲れていることとか、他にどういうお店を見る予定なのかとか、こちらのことをもっと聞いて欲しかった。
買い物に来る人はみんな同じ気持ちじゃない。 同じ目的じゃない。 同じ境遇じゃない。 欲しいのはチョコじゃなくて、渡す相手の喜ぶ顔。 それを知らずに相手にモノが売れるのか。
彼は次に訪れた女性にもまったく同じ売り方をしていた。 結局その人も買わずに立ち去ってしまった。 彼は表情一つ変えず、元の位置に戻っていった。
2011-11-27