「僕は君たちに武器を配りたい」を読んだプログラマーの感想
2011-12-07
東大助手→マッキンゼーのコンサルタント→投資家&京大教授という、教育とビジネスの第一線で同時に活躍する著者が、若者への生き方を説いた一冊。
後半に若干テーマがあちこちに飛んだりするけども、言いたいこと、まだまだ言い足りないことがビシバシ伝わってきて非常に熱い。 こういう本は好きだな~。
「使われる人間」になるな
著者がこの本を通して伝えたいことはこの一言しかありません。
これからの世の中をうまく生きていくには、世の中に「使う人間」と「使われる」人間の特徴を知り、「使う人間」にならなければいけないということ。
そのための世の中の様々な仕組みの事例を挙げ、なぜ専門知識を持った人間や営業マンがダメなのか、大学から企業するベンチャーが失敗するのか、フランチャイズ店の店長やサラリーマン、一般人の株式投資が失敗するのかを説いています。
プログラマーの武器は…
本書を読んだ上で、プログラマーが「使われない人間」になるには次のような人にならないことが大事だと感じました。
- プログラミングの知識やコーティングのスキルがウリの人
- 大手企業や中小企業の2次受けの案件ばかりをこなしている人
- ライバルのいない顧客市場でビジネスをしようとしている人
市場を理解し自分の判断でビジネスモデルを考えてライバルとの差別化が明確なソフトウェアを製作し、直接顧客に提供できなければいけません。
すでにコーディングスキルは優秀なフレームワークや無料CMSなどによってどんどん買い叩かれる時代になっています。 今現在では高い報酬を得られるスマートフォンアプリ開発向けのHTML5やObjective-Cの知識もすぐに使い手が増え、コモディティ化し、陳腐化するでしょう。
もちろんスキルを身につけるのは大切ですが、それを他人に生かしてもらうのではなく、自分自身で考え、活かす道を探しましょう。
自主的に動き、自分で仕事の道を走るハンドルを握るようにしましょう。
毎日ビジネスのことを考える
そんなこと、言われなくても分かってるよ! 簡単に受注依存体制から抜けられるなら苦労してないよ!と思われるでしょう。
その場合は少しでもプログラミングの勉強を減らしてビジネスの勉強をしてください。 頑張る方向が本書の言う「エキスパート」の部類に入っていないかどうか確認してみましょう。
毎日ビジネスのことを考えていれば、いま持っている自分のスキルを活かせる道が徐々に見えてくるかもしれません。 コツはみんながやることの逆を考えてみること。 新聞やテレビが供給する情報を数字も含め、疑うこと。
本書では、英語に堪能な日本人が「英語を日本人に教える」のではなく「日本語を外国人に教える」ようになって大成功した例など豊富な事例があるので、参考にしてみると良いと思います。
※2019年8月10日、作者の瀧本哲史さんが若くして永眠されました。ご冥福をお祈り致します。
2011-12-07