ジョブズ「驚異のプレゼン」にみるIT技術者の心構え

2010-12-12

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ようやく読めた。 2010年度の名著の1つ「驚異のプレゼン」。

書評はあっちこっちに書いてあるでしょうから、私はプログラマーとしてIT技術者目線でレビューしてみたいと思います。

仕事への態度が180度変わる本だ。すぐに試したくなるだろう。

IT分野の知識は正直いって難解です。 その分野の専門家でもこれは認めざるをえない事実でしょう。 そして、ビジネスの世界ではこれが大きな問題の一つになっています。

パートナーやクライアントなど、IT分野以外の人とコミュニケーションを取るたびに「なんでそんな厄介な変更を軽々と押し付けるんだ!」と思うことも多いでしょう。

また「IT土方」と言われるほど、その価値を下げられ、報酬に不満を持っているIT技術者も少なくありません。

しかし、あなたはへそを曲げ、相手と気まずい関係になってしまう前に、本書に書いてある方法を実践してみる価値があります。

本書で習得するポイントは3つ。 簡単だよね。 たった3つしかない。

相手の悩みを理解する

1つは「相手の悩みを理解すること」です。 なぜ相手があなたの意見を真摯に聞く必要があるのか、あなたを尊重し、理解しないといけないのかを知ってもらう必要があります。

これは本書の前半で理解する内容です。

難解な話をしない

2つめは「難解な話をしないこと」です。 相手に誤解を与えず、相手をあなたの話に引きこんで魅了するには、ジャーゴンバズワードを使わず、平易な言葉を使い、具体的な数字を出してプレゼンする必要があります。

これは本書の中盤で理解する内容です。

自分を録画する

相手に自分がどのように見えているかを必ず把握すること。 ビジネスに限らず、プライベートでも意識していない人があまりにも多すぎる。

相手があなたを否定、あるいは拒否しているとき、あなたが想像もつかない所を気にされていることが多いのです。 信じたくないでしょうが、これは事実です。

これは本書の後半で理解する内容です。

文系脳・理系脳論争の終焉

ジョブズのプレゼンの劣化版みたいな感じで書いてみましたが、遠く及びませんな。。

さて、IT技術者にとっての本書の魅力は上に書いたとおりですが、本書を自分の存在にあてはめたところ、重要なことに気付きました。 とくに理系脳の人たちにとって重要な気付きです。

ネット上でよく「これだから文系は…」「これだから理系は…」とお互いを貶し合う論争がネット上でよく起こります。 いわゆる「文系脳」「理系脳」というやつですね。

私はおそらく「理系脳」に近いので、理系側の立場から述べますが「文系脳」の人に伝わるようなプレゼンが「理系脳」の人にできていれば、この論争自体起こらないということです。

はっきり言いましょう。 理系の人が文系の人にうまく利用されている気がするのは、理系の人にプレゼン能力がないからなのです。

理系脳が文系脳でプレゼンする

文系の人に「変数」や「オブジェクト指向」を理解してもらい、すばらしい技術であることをプレゼンすることができれば、パートナーとの価値観の共有やクライアントとのコミュニケーションもスムーズにいくでしょう。

ひょっとしたら、文系の人の手を借りる必要自体なくなるかもしれません。 あなたが最も価値を伝えることができる伝道者なのですから。

引いては、あなたは一体何者なのか、相手に魅力を感じてもらうようなプレゼンができれば、日本でのIT技術者の価値はもっと上がっていくであろうということです。

心の底から日本のIT技術者に読んでほしい一冊です。

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2010-12-12