レビュー:リンゴの絆―”奇跡”を支えた真実の人間ドラマ

2010-10-02

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で一躍有名になられた「奇跡のリンゴ」栽培農家、木村秋則さんの著書。

木村さんがリンゴにも、人間にも絶望を感じていた時代に支えてもらった2人(正確には3人か)との成り行きを書き綴ったエッセイですね。

リンゴを無農薬で育てることの意義

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本書を読みながら、木村さんが妻の農薬アレルギーをなんとかしようと無農薬のリンゴ栽培を目指したことは、当たり前のことだと感じていたのですが、その背景にとんでもなく大きな可能性があるということは想像だにしませんでした。

木村さんは最初から気づいていたのでしょうか。

それは、最も農薬に依存しないと栽培できないとされるリンゴを、無農薬で栽培できれば、他の全ての作物でも無農薬が可能になるということ。

日本が無農薬栽培を極めないといけないワケ

「無農薬栽培は全世界に必要な技術になる!」と感じたのが本書を読み終えた時の率直な感想だったのですが、実はつづきがありました。

偶然にも本書を読んだ同じ日にTVで「中居正広のザ・大年表 第2弾 秋の特大4時間スペシャル!!」があり、財政破綻した日本の行く末が映像でシミュレーションされていたのです。

農家が幅を利かせる?

そのシミュレーションはこうでした。 まず、財政破綻したことによりハイパーインフレが到来。 円の価値がなくなり、食料を買うにも1万円札では何も買えない時代が到来します。

そこで物々交換市場ができる。 物々交換市場では食料がブランド物のバッグよりもはるかに価値があります。 農家はブランドバッグに対して、少量の野菜としか交換してくれないのです。

農家にも危機が…

しかし、その農家にもハイパーインフレは重大な影響を及ぼす。 それは「農薬の輸入」。 農家はハイパーインフレによって高価になった農薬に頼りながら栽培するしかないのです。

無農薬栽培は今後の日本にとっての救世主か

無農薬栽培ができるようになれば、輸入に頼る必要がなくなるのです。 番組を観ていて、点と点が繋がったような気がしました。

日本の致命的な欠点の一つに農業の海外依存が挙げられますが、それを無農薬栽培によって大きく変える可能性があることが分かりました。

終わりに

ブログの内容は農薬についての話題が中心になってしまいましたが、本書のテーマは「人」です。 本当の親友というものは、困ったとき、自分が一番惨めなときに側にいてくれる人、ということを改めて教えてくれます。

でも、そういう親友も、自分が適当に生きていては得ることができない。 木村さんのように、生きるか死ぬかの瀬戸際まで行かなくとも、自分が成すべきことに対して真剣に取り組み、生きていくことでしか得られないということを本書で学ぶことができます。

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2010-10-02