社員に好かれる経営手法:EC Studioの本
2011-04-03
EC Studio という会社は、お手軽スクリーンキャプチャの「Camtasia Studio」やGoogle Analyticsよりも見やすいアクセス解析システム「Web Analyst」などで(IT業界では)おなじみの会社です。
個人的には少人数で次々とヒット商品を生み出す海外のクリエイター集団「37Signals」の日本版っぽいイメージで見ていましたが、その会社がどうやって事業を経営しているのか、「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」興味深く読ませていただきました。
とことん社員重視の経営コンセプト
読んでみると「日本でいちばん社員満足度が高い会社」というのに納得。 利益を14億円以上にならないようにしているという。 こんな会社聞いたことがない(笑)。
でも、社員の立場(とくに制作に関わる社員)で考えると、規模が大きくなっていくことへの不安や、同じポジションを得るための社員同士の蹴落し合い(イス取りゲーム)といった、余計な心配をしなくて良くなります。
ポジション争いって醜いんですよね。 大抵は足の引っ張り合いで生産性ないし。
破壊と生成によるビジネスのスリム化
少人数になると出来るようになるのが、ビジネスのフットワークの軽さ。 儲からない事業は速攻で潰す、というところは多くのところでもやってますが、EC Studioは社員のためにならないなら、儲かっている事業でも潰す。
なぜか?
それは、その事業をなくすことで、更なる利益を生み出す新事業を始められるから。
これはまさに、プログラミングの世界でいう「リファクタリング」と似ている。
せっかく作ったプログラムコードでも、効率やメンテナンス性が悪ければそこを壊して、より良いコードに作り替えていく。 経験者なら分かると思うけど、かなり勇気がいる作業だ。 これをEC Studio では経営レベルでやる。
小規模の会社やユニットにピッタリの本
このように、本書は少人数の会社やチームにピッタリの経営手法、チームの作り方、製品の作り方を教えてくれる。 変化の激しすぎる現代において、企業のトップに立つ人から、制作チームの一員まで読んでおくべき一冊と言える。
2011-04-03